【12月23日 AFP】マイクロブログのツイッター(Twitter)で先週末、米インターネット企業の広報部長を務める女性の個人アカウントが後天性免疫不全症候群(エイズ、HIV/AIDS)に関する不適切な投稿をめぐって炎上し、この広報部長が解雇される騒ぎに発展した。

 米インターネット企業「IACInterActive Corp)」の広報部長だったジャスティン・サッコ(Justine Sacco)氏は、南アフリカへ向かう飛行機に乗る直前、ツイッターに「これからアフリカに行きます。エイズにかからないといいな。というのは冗談よ。私は白人だもの!」と投稿した。

 IACは人気ウェブサイト「Match.com」や「Dictionary.com」「OkCupid」「Vimeo」などを所有する。サッコ氏の投稿は、ツイッターユーザーらの激しい怒りを買った。

 米メディアによれば、サッコ氏の投稿時のフォロワー数は200人ほどだったが、ソーシャルニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」の担当者が問題のツイートをリツイート(拡散)したのがきっかけで注目が集まり批判が殺到。機上の人となったサッコ氏がインターネットにアクセスできずにいる間に、ツイッターでは「#JustineSacco」や「#HasJustineLandedYet(ジャスティンはまだ着陸していないのか)」のハッシュタグが登場し、米、欧、南アフリカを中心に注目を集めた。

 またIACは騒動を受け、サッコ氏の「侮辱的な発言は、IACの見解と価値観を反映したものではない」と述べるとともに「この問題を極めて深刻に」とらえていると発表。サッコ氏との「決別」を表明した。

 南アフリカに到着したサッコ氏は、何もコメントしないまま問題のツイートを削除していたが、22日になって南アフリカの主要英字紙スター(The Star)と米ABCニュース(ABCNews)に謝罪声明を出した。

「私がどれほど申し訳ないと思っているか、そして私の不必要で不注意なツイートで傷つけてしまった南アフリカの人に私がどれほど謝罪しなければならないか、言葉で表現することはできない」と述べたサッコ氏は、南アフリカは父親の出身国であり、自分が生まれた国でもあると釈明。「私は南アフリカとのつながりを大切に思い、頻繁に訪問している」「私が生んだ痛みに対して、とても申し訳なく思っている」などと述べている。

 ツイッター上には、一晩のうちに解雇にまで発展した今回の炎上騒動について、「楽しんだのは独善的な連中だけだ」「ツイッターに投稿した言葉はいつでも人を傷つける」などと批判する声もあり、投稿する前にもう一度書いた内容について考えるよう注意を促すユーザーもみられた。(c)AFP/Carlos HAMANN