【12月23日 AFP】ナイジェリア第2の都市、カノ(Kano)市中心部のモスクで19日、イスラム教徒のカップル1000組余りの集団結婚式が行われた。安定した家庭づくりを促進する制度の一環と位置付けられている。

 集団結婚式事業は、当局が「離婚の伝染病」と呼ぶほど離婚が広まっている状況に対処しようと、シャリア(イスラム法)の執行機関である宗教警察「ヒズバ(Hisbah)」とカノ州政府によって開始された。昨年5月以来4度目で、18か月間に4461組が挙式した。今回挙式したのは1111組で、女性は離婚経験者、男性の多くも離婚経験がある。

 集団結婚式に出席した同州副知事は離婚を抑制する政策の強化を提唱し、また結婚生活が破綻した場合に男性が十分な養育費を元妻に支払わなければ、厳しい罰則を科すべきだと述べた。

 またカノ州政府は集団結婚事業の下で、慣習である女性の持参金の負担や、新婦への家財道具の提供、小規模事業を始めるための開業資金の支給も行っている。

 カノ州では州政府とヒスバが、イスラム教で「不道徳」とされる行為の大規模な取り締まりに乗り出しており、薬物使用や売春、不適切な服装などの罪状でこれまでに数百人を拘束している。先月にはイスラム教で飲用が禁止されているビールのびん24万本を、公式行事でヒズバが破壊した。

 ナイジェリアのシャリアは2001年、イスラム教徒の多い北部を中心に復活したが、その適用にはばらつきがある。(c)AFP