■治療費は高額

 現在、免疫療法の研究に取り組んでいる大手製薬会は最大で5社を数える。米医薬品大手ブリストル・マイヤーズスクイブ(Bristol-Myers Squibb)が開発した新薬「イピリムマブ(ipilimumab)」は、2011年に承認された。治療単位当たりの価格は、12万ドル(約1250万円)だ。

 この薬は高額で、さらに完治が保証されるものでもない。2012年に300人のグループを対象に行われた調査では、イピリムマブで腫瘍が半分以上縮小した患者の割合は、メラノーマで31%、腎臓がんで29%、肺がんで17%だった。

 今年発表された、イピリムマブを与えられた黒色腫患者1800人を対象とした調査では、3年後の生存率は22%だった。

 関連する治療法の1つで、患者自身のT細胞に腫瘍を攻撃させるためにT細胞を作り替える「キメラ抗原受容体(CAR)」の技術を用いた療法については、白血病患者75人中45人のがんを完全に消滅(完全寛解)させることに成功したと研究者らが今年発表している。