【12月19日 AFP】米ホワイトハウス(White House)の諮問委員会は18日、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)の情報収集活動の権限には制限が必要だと提言する報告書を発表した。報告書は、NSAがテロとの戦いにおける情報収集活動として行ってきた大規模な情報収集活動は行き過ぎであると警告している。

 約300ページから成る報告書は、米国民の通話記録の大量収集と保管の中止、各国首脳らを対象とした情報収集活動に関する新たな審査制度の導入、外国人のプライバシー保護、米政府の監視プログラムの透明性強化などをNSAに求める内容で、46の提言が記されている。

 米当局に訴追され現在はロシアに一時亡命中の米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が暴露したNSAの情報収集活動の実態は、同盟国や市民団体の怒りを呼んだ。これを受け、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領支持の下、米国の情報収集活を見直すために諮問委員会は設置された。諮問委員会は、司法および情報活動の専門家5人で構成された。

 報告書の提言に拘束力はないが、オバマ大統領はハワイ(Hawaii)で年末休暇を過ごした後、来年1月に提言を受けた次の段階の措置を米国民に説明する意向だ。(c)AFP/Stephen COLLINSON, Rob Lever