■米の情報収集活動、F/A18に逆風

 ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は2011年、予算を理由に次期戦闘機の購入契約に関する決定を延期したが、空軍幹部らは、2005年にフランスから中古で購入した戦闘機「ミラージュ(Mirage)2000」12機を今月退役させることになっているため、次期戦闘機選定は緊急を要する問題だと主張していた。

 先週のブラジル公式訪問時に自らラファールを売り込んだフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領の努力は実らず、いまだにラファールの輸出実績のないダッソーにとっては厳しい結果となった。仏パリ(Paris)のダッソーに近い筋は、ラファールは3機種の中で最も高額だったと述べた。

 ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)前大統領は2009年、一時ラファールを選ぶ姿勢を示したが撤回し、決定を後継者のルセフ現大統領に委ねた。

 ルセフ大統領は米ボーイングのF/A18に傾いていたが、米国がブラジルに秘密裏に情報収集活動を行っていたことが暴露されたことで、同型機の採用はなくなったとブラジルのメディアは報じている。(c)AFP/Yana MARULL