【12月16日 AFP】キューバでは過去30年、ブラジルの連続メロドラマが毎日1時間、日々の悩みを忘れさせてくれてきた。しかし今、キューバの視聴者の心を広くつかんでいるのは、何本も放映されている韓流ドラマだ。

 キューバ国内のテレビで、韓国映画とKポップに続いて韓流ドラマが初めて放映されたのは今年初めだった。「僕の妻はスーパーウーマン(Queen of Housewives)」「お嬢さまをお願い!(My Fair Lady)」「ドリームハイ(Dream High)」、さらに先月放送された「シークレット・ガーデン(Secret Garden)」──これらすべての韓流ドラマが、共産主義国キューバでファンを勝ち取っている。

 他にもキューバの人々は、韓国のさまざまな番組のデジタル映像をUSBフラッシュメモリーに入れて交換しあっている。インターネット接続が広く普及していないキューバでは、データをやりとりするためにUSBメモリを使うのが一般的だ。

 首都ハバナのセントロ・ハバナ(Centro Habana)地区にある自分のアパートの前で映画やテレビドラマのソフトを売る露店商をしているジョスメリー・バティスタさん(21)は「韓国ドラマは最近、一番売れている。分かりやすくて、すごく笑えるからね。韓国とキューバでこんなに文化が違うのに、何でそんなに売れるのかって? かえって、ものすごく違うからじゃないかな。韓国ドラマでは、キスシーンさえほとんどないからね」と答えた。バティスタさんが売っていた約60本のテレビドラマのうち、半分はメキシコやブラジル、コロンビアなど中南米のドラマ、残りの半分が韓国ドラマだった。

 中学生のラウラさんは自分のコンピューターに24本の韓国ドラマをダウンロードしたが、まだ9本しか見ることができていない。クラスメートの間で1番人気は「花より男子(Boys Over Flowers)」だという。「韓国ドラマは大好き。短くて(キューバのドラマとは)全然違う」と語った。