【12月10日 AFP】中国の国営テレビ局が同国の深刻な大気汚染問題について「国をより平等にした」と評価したことに対し、中国紙が10日、中国共産党当局への機嫌取りだと激しく反発した。

 中国中央テレビ(China Central TelevisionCCTV)はウェブサイトの社説で、近年悪化するスモッグについて「国と個人に5つほどの利点をもたらした」と宣言。スモッグ問題は、ほぼ全ての都市や村で起きていることから中国の国民を「ますます連帯させ」、持続可能な開発の重要性について「さらにはっきりとさせ」、スモッグに関連したジョークが多数出現したことから「ユーモアを増やし」、化学や気象学などについて「知識を高めた」と称えた。

 中国の商業中心地、上海(Shanghai)や東部都市は先週、分厚い刺激性のあるスモッグに覆われた。有害とされる微小粒子状物質「PM2.5」の濃度は世界保健機関(World Health OrganisationWHO)の指針値の24倍に達し、空の便は遅延し、マスクは飛ぶように売れた。

 中国紙・新京報(Beijing News)は10日、CCTVの社説に対し、当局の機嫌取りをするプロパガンダだと反発。CCTVは党の代弁者として「常習のおべっか」を使い、官僚らの歓心を買おうとしたと非難し、「いかに悲しい話題でも、彼らは賛美歌を歌うことができる」と述べた。(c)AFP