【12月10日 AFP】宗教対立に起因する戦闘で400人近い死者を出した中央アフリカで9日、事態の鎮静化を図るため同国入りしている仏軍が、民兵らの武装解除を開始した。

 ここ数日間、反政府勢力の連合体セレカ(Seleka)が関与したとされる戦闘が続いた首都ブンギ(Bangui)だが、この日は比較的平穏を取り戻し、市民を恐怖に陥れた武装勢力の姿はどこにも見られなかった。

 仏軍のジル・ジャロン(Gilles Jaron)報道官は仏パリ(Paris)でAFPの取材に対し、作戦は「かなり順調に」進んでおり、「武装集団の一部は撤退、一部は武器を放棄している」と語った。

 キリスト教徒が多数派を占める中央アフリカでは今年3月、主にイスラム教徒からなるセレカがクーデターで政権を掌握して以降、以前から不安定な情勢がさらに混乱に陥っている。当初は反政府勢力が村や街を荒らしていたが、次第に民兵による宗教間の戦闘に発展していった。こうした流れを受け国連(UN)の高官は、ジェノサイド(集団虐殺)の恐れがあると警告を発していた。

 暴力行為の鎮圧を目指す国連安全保障理事会(UN Security Council)決議にのっとって、仏軍は中央アフリカに兵士1600人を派遣したが、先週の作戦開始以来ほとんど抵抗を受けていないという。9日にはバンギの空港近くで武装勢力と短時間銃撃戦となったが死傷者は報告されていない。(c)AFP/Michel CARIOU, Patrick FORT