【12月2日 AFP】タイの首都バンコク(Bangkok)で、インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相の退陣を求める反政府デモが激化している問題で、同市の医療施設によると、暴力行為によって1日までに4人が死亡、57人が負傷した。

 同市エラワン(Erawan)の救急センターによると、死傷者の体には銃創や刺し傷など、さまざまな傷が確認された。

 反政府デモは、2006年に軍の無血クーデターで海外に逃れたタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相に帰国への道を開く恩赦法案の議会提出を機に始まった。タイではタクシン元首相の失脚以来、政治の混乱が続いている。

 警察発表によると1日のデモには約7万人が参加。デモ隊の一部は厳重な警備が敷かれる首相府にも迫り、報道によればバリケードや鉄条網の突破を試みるデモ隊と、これに催涙弾や放水で応じる警官隊との攻防が数時間続いた。

 同日にはインラック首相とデモ指導者のステープ・トゥアックスバン(Suthep Thaugsuban)元副首相との話し合いがもたれたが、物別れに終わった。ステープ氏はテレビ放送を通じ、インラック首相に対する「最後通告」として、2日以内に「権力を国民に移譲」するよう求めたことを明らかにした。(c)AFP/Anusak KONGLANG