【8月24日 AFP】汚職事件で確定した実刑を逃れるため亡命生活を送っているタイのタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相が来日し、23日に都内で記者会見し、近い将来タイに帰国する計画はなく、実妹のインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相が率いる発足2週間目の現政権にも口を出すつもりはないと述べた。

 通信事業で財をなした実業家でもあるタクシン元首相は、2006年に無血クーデターで追放された。汚職事件で禁錮2年の刑が確定しているが、これを逃れるために亡命し、現在はアラブ首長国連邦のドバイ(Dubai)に滞在している。

 タクシン氏は会見で、先の下院選挙で実妹インラック氏が首相候補として戦ったタイ貢献党(Puea Thai)のメッセージ作りなどについては支援したが、インラック氏が首相に就任した後の政権運営には関わっていないと述べ、「彼らが助言を必要とするのであれば、電話をかけてくればよいだけだ。助言することはできる。しかし彼らがそれを必要としないのであれば、関わるつもりはない。私はリラックスしたいし、人生を少々楽しみたい」と発言した。

 今回のタクシン氏の来日については、国際的な脚光を浴びようという意図からだとの批判もある。(c)AFP/Yuka Ito