【11月19日 AFPBB News】試合:2013年11月16日 オランダ対日本 in ヘンク(ベルギー)

 前半12分、内田篤人がヘディングのパスをミスした瞬間、オランダ代表のラファエル・ファンデルファールトは、しなやかにボールが転がる方向に身を翻した。それまでは背中をピンと立てたリラックスした姿勢で走っていたが、チャンスと見ると体を小さく丸めて猛然とダッシュ。GK西川周作の飛び出しが届く直前にファンデルファールトの左足がボールを捉え、フワリと浮いたシュートは柔らかくネットに包み込まれた。

 この写真を見ると、GKをかわしてジャンプした瞬間、再びファンデルファールトは背中をピンと立て、目線はしっかりとボールを捉えていることがわかる。背中側の筋肉を使って伸びやかに動いていたかと思ったら、瞬時にコンパクトに前側の筋肉を使って加速し、シュートを打つ直前に再び元の美しい姿勢に戻って正確にボールをコントロールした。

 30歳になったが、まだまだ若手には負けない。かつて「エンジェル」と呼ばれたファンタジスタの才能が輝いた瞬間だった。(c)AFPBB News/木崎伸也