【11月13日 AFP】夫と娘と共に銃撃され、重傷を負って病院に救急搬送された女性が目覚めると、隣に横たわっていたのは「犯人」だった──ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)郊外で今月に起きたこの事件の捜査は全くの偶然により、意外な形で犯人特定に至った。

 ブラジルのニュースサイトG1は、「メロドラマの題材になりそうな話だ」というサンパウロ郊外の町、モジ・ダス・クルーゼス(Mogi das Cruzes)の警察幹部のコメントを伝えた。捜査を主導する同幹部によると、警察は現在、動機の解明と共犯者の有無について捜査を進めている。

 ナイルクレイド ・デュアルテ(Naircleide Duarte)さん(28)と家族が銃撃された当時の様子は、バスに搭載された監視カメラに捉えられていた。バスの外には銃撃された夫で警備員のホセ・コスメ・バロス(Jose Cosme Barros)さんが倒れており、犯人から逃げようとしたデュアルテさんと5歳の娘はバスに乗り込んだが2人も銃撃された。バロスさんと娘は致命傷を負い、死亡した。

 一方、一家を銃撃したルーカス・リベイロ・ド・ナシメント(Lucas Ribeiro do Nascimento)容疑者(27)は事件から数時間後、ナイトクラブの外で起きた乱闘に巻き込まれた際に銃で撃たれ、病院に搬送された。

 同容疑者が搬送された先は偶然、デュアルテさんと同じ病院の同じ部屋だった。デュアルテさんら一家の事件について警察は、強盗や殺人の前科がある者を中心に、容疑者をリストアップしていた。(c)AFP