【11月12日 AFP】2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)組織委員のリカルド・トラデ(Ricardo Trade)CEOは、同国を訪れる観光客に影響が及ばない限り、国民には抗議デモを行う権利があると話した。

 1950年以来となるブラジル開催のW杯の開幕まであと約6か月に迫った。

 2億人もの人口を擁す大国ブラジルにとって、W杯は膨大な規模の一大事業で、開催費用は150億ドル(約1兆5000万円)にも上る。

 ここ数か月にわたってブラジルではW杯開催に対する抗議デモが行われているが、トラデ氏はデモ活動に参加する人々の心情を理解することはできるという。

「暴力沙汰にならない限り、民主主義国におけるデモは民主的な活動だ。デモの参加者は健康や安全保障、教育を求めている。まっとうな要求だとは思う」

 しかし声高にW杯開催を批判する少数派がいる一方で、ブラジルの国民の多くは大会を支持しているとトラデ氏は話す。

「最近行われた調査によると、国民の70%以上がW杯開催を支持しており、ブラジルが開催国となったことを喜んでいる」

 W杯に抗議する人々へ向けてメッセージを求められたトラデ氏は、「あなた方が思う公平さを求めるためにデモを行ってください。この国は成長を遂げているが、社会的公平さにおいてはまだ向上が求められる」と語った。

「しかしわれわれが我が国にとって重大なイベントを主催しようとしていることは忘れないでください。ブラジルに訪れる人々を大事に迎えてください」

 W杯では海外から60万人もの旅行者がブラジルを訪れることが予想されるが、デモでの暴動は同国のイメージを損なうこととなった。(c)AFP/ Laura BONILLA CAL