コカイン使用のトロント市長、辞任せず通常公務
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【11月12日 AFP】喫煙タイプのコカイン「クラック」の使用を認めたカナダ・トロント(Toronto)のロブ・フォード(Rob Ford)市長は11日、通常通りの公務を行った。同市長に対しては先週から辞任を求める声が高まっているが、それには応じなかった。
戦没者をしのぶリメンバランス・デー(Remembrance Day)のこの日、霧雨の降る中フォード氏が式典に出席した3000人に向け、戦時中に兵士が払った犠牲に敬意を表する声明を読み上げると、一部の支持者からは同氏に対する声援も上がった。
元市議会議員で22年副市長を務めた経験のあるクリス・コーウィン・クチンスキー(Chris Korwin-Kuczynski)氏はフォード市長と会った後で、「選挙公約でみれば、彼(フォード氏)は歴代市長が成した以上のことを行っている」として、「私は彼が生き残れると思っている」と語った。
これに対し同氏の辞任を求める人々は、さらにその圧力を強めている。ノーム・ケリー(Norm Kelly)副市長は地元ラジオ局に対し、同市長が週末の「内省」後に休職申請を出してくれることを願っていると話していた。その希望に反し同市長は通常通りの公務を行ったものの、「過去数日間、彼(フォード氏)は以前よりも周囲の意見により耳を傾けているようだ。だから私は楽観している」と述べた。
カナダ最大都市トロントのフォード市長をめぐっては、クラックを吸っている姿を収めたとされる動画を警察が押収したことが分かり、大スキャンダルに発展。さらに泥酔状態で下品な言葉でののしる様子が写っている別の動画が放映されると、同氏の立場はいっそう追い詰められた。
同市長の問責投票の実施を呼び掛けているデンジル・ミンナン・ウォン(Denzil Minnan-Wong)市議会議員は、こうしたフォード氏の奇行が「混乱の種」と「問題」になっていると指摘。しかし同市議も、市長本人が辞任の意向を示さない限り、市長を確実に辞職に追い込む道がないことは認識しているという。(c)AFP