【11月3日 AFP】英紙ガーディアン(Guardian)は2日、米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)元職員が持ち出した文書の内容として、ドイツ、フランス、スペイン、スウェーデンの情報機関が英政府通信本部(GCHQ)と連携して大規模な通信傍受を行っていると報じた。

 米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)と緊密な関係にあるGCHQは、各国の情報当局が情報収集活動を規制する法律を回避できるよう支援していたとされる。ドイツとスペインは自国民に対する通信傍受を行ったNSAを厳しく批判しているものの、今回の報道で苦しい立場に追い込まれそうだ。

 ガーディアンは、欧州各国の情報機関が「緩やかだが拡大しつつある」連携を通じて、光ファイバーケーブルを流れる情報を直接入手したり、通信会社との内密の関係を利用したりして情報収集を行っていると伝えた。同紙は先に、GCHQが大西洋横断光ファイバーケーブルの通信を傍受していると伝えていた。

 この日の同紙記事は、GCHQが欧州の連携先を国別に調べた2008年の調査と、その後まとめられたインターネット上の商用暗号の解読に関する報告を引用。両方ともスノーデン元職員が持ち出した文書に含まれていたとしている。

 これによると、GCHQはドイツ連邦情報局(BND)について、「光ファイバー通信を傍受しており、潜在的な技術力は高く、インターネットの中枢によくアクセスできる」と評価。また英情報当局はドイツに対して通信傍受を規制する法律の改正や回避を助けていたという。さらにスペイン国家情報局(CNI)が社名は明らかにされていない英通信会社から装置の提供を受けていたことも明らかになった。

 スノーデン元職員が持ち出した文書は米当局による大規模な情報収集活動を暴露し、米国への反感を高める結果を招いた。同氏はロシアに一時亡命している。中国とインドネシア、マレーシアは、オーストラリア大使館を通じて米国が情報活動を行っていたとする報道について米国に説明を求めている。(c)AFP