【10月29日 AFP】フランスで車のトランクの中から、栄養失調で脱水状態の乳児が発見されたことが28日に明らかになり、国内に衝撃が広がっている。誕生直後からトランク内に隠されて育てられてきた疑いがあるという。

 1歳3か月~1歳11か月とみられる女児は25日、同国中部テラソン(Terrasson)の自動車修理工場へ母親が車を持ち込んだ際、整備士が発見した。警察によると、整備士の1人が「うめき声のような奇妙な音」が聞こえてきたためトランクを開けると、裸で自分の排せつ物にまみれて横たわっている女児を見つけたという。

 女児は脱水状態で熱もあった。運び込まれた病院の医師によると、発達遅延と知的障害が認められるという。地元検察官はAFPに、女児は「生まれて以来、(トランクに)隠されていたとみられる。深刻な(発達)遅延がある」と話した。

 女児の母親(45)とそのパートナーの男(40)は27日、児童虐待などの疑いで逮捕・訴追された。有罪になれば最高で禁錮10年が科される。母親は、女児を内緒で出産し、父親であるパートナーを含め誰にも子どもの誕生を明かしていなかったと、警察に供述している。2人の間には他にも子どもが3人おり、両親の逮捕後、社会福祉施設に保護された。

 女児を発見した整備士は28日、AFPに対し、母親は自分の娘にほとんど関心を持っていないようだったと話している。「彼女がその状態を異常だと思っていないように見えたため、私たちは大きなショックを受けた」という。

 逮捕された男女はともにポルトガル出身で無職。女児が見つかった修理工場から約10キロ離れた村に住んでいた。近隣住民が仏メディアに語ったところでは、女は異常なほど長時間を車内で過ごすなど、様子がおかしかったという。(c)AFP