【10月21日 AFP】旧ユーゴスラビアの故ヨシップ・ブロズ・チトー(Josip Broz Tito)大統領の妻、ヨバンカ・ブロズ(Jovanka Broz)さんが20日、セルビアの首都ベオグラード(Belgrade)で死去した。88歳だった。

 1924年12月7日、現在のクロアチアの小作人の家庭に生まれ、第2次世界大戦(World War II)中に17歳でチトー氏が指揮するパルチザンに参加し、終戦まで塹壕戦の戦場にいた。ユーゴスラビアとソ連との関係が悪化し始めた1948年にチトー氏の秘書になった。チトー氏の私生活は明らかにされていない点が多く結婚の時期は不明確だが、複数の伝記作家は、2人が結婚したのは1952年だったとしている。31歳年上のチトー氏にとって3人目の妻だった。

 チトー氏に付き添って外遊し「非同盟運動(Non-Aligned Movement)のファーストレディー」と呼ばれたこともあったが、1970年代後半から2人の関係は冷え込んだ。正式な離婚はしていないが、1980年5月のチトー氏の死去後、それまで住んでいた邸宅を追われて軟禁生活を送り、2009年から国の年金を受給していた。(c)AFP/Suzana MARKOVIC