【10月17日 AFP】世界各国では約3000万人が「現代の奴隷制度」の下で暮らしている──こうした状況の改善を目指した活動を行う「ウォークフリー・ファウンデーション(Walk Free FoundationWFF)」が17日、調査結果をまとめて作成した指標を初めて発表した。

 WFFの定義によると、「現代の奴隷制度」には、人を「奴隷にする」ことのほかに、借金による束縛や強制的な結婚、子どもの売買や子どもからの搾取などの「奴隷のように扱う」こと、さらに、人身売買や強制労働も含まれている。

 162か国を対象とした「グローバル・スレイバリー・インデックス(Global Slavery Index)」によると、「奴隷」にされている人が圧倒的に多かったのはインド。また、この問題が最も広くまん延しているのは西アフリカのモーリタニアで、人口の約4%にあたる人たちが奴隷のように暮らしているという。

 「現代の奴隷制度」のまん延が確認されたのは、上記のほかハイチ、パキスタン、ネパール、モルドバ、ベナン、コートジボワール、ガンビア、ガボンの各国だった。旧ソ連のモルドバは欧州の国で唯一、上位10か国に入った。

 人数でみると、現代の奴隷制度の影響下に置かれている人が最も多いのはインドで、約1395万人。次いで中国が約295万人、パキスタンが約210万人だった。また、現代の奴隷制度の下で暮らしている人の72%はアジアに暮らしていると推定される。

 WFFは毎年発表する予定のこの指標ついて、各国政府がこの「隠された犯罪」を監視し、対応策を講じるよう促すものになればと期待している。

 WFFは昨年5月、豪フォーテスキュー・メタル・グループ(Fortescue Metals Group)の会長で慈善家のアンドリュー・フォレスト(Andrew Forrest)氏とニコラ(Nicola Forrest)夫人により創設された。(c)AFP/Robin MILLARD