【10月12日 AFP】イタリア・ランペドゥーザ(Lampedusa)島から南に約100キロの地中海で11日、難民船が沈没し、子供を含む多数の死亡者が出た。ランペドゥーザ島沖では今月3日にアフリカ難民船が沈没して300人以上が死亡する事故が起きたばかり。

 マルタのジョゼフ・ムスカット(Joseph Muscat)首相は、現場はマルタから約110キロ離れた場所で、これまでに少なくとも27人の死亡を確認し、捜索を続けていると発表した。一方、伊ANSA通信は、女性と約10人の子供を含む約50人の遺体が収容されたと報じた。

 マルタ海軍は救助船とヘリコプターを現場海域に急行させるとともに、近くを航行していた商船も救助に向かった。イタリア海軍も船舶とヘリコプターを救助に向かわせた。マルタのムスカット首相によるとこれまでにマルタの船が約150人を救助した。イタリア海軍もこれまでに約50人を救助した。


 多数の難民を乗せた船はマルタの領海内でトラブルに見舞われ、乗っていた人から衛星携帯電話で当局に通報があった。マルタ海軍は、飛行していた軍用機の注意を引こうとした人たちが船の片側に集まり、船が転覆したとしている。

 難民支援団体は過去20年間に欧州に渡ろうとして死亡した難民は1万7000~2万人に上ると推定している。イタリアは毎月数千人の難民が自国に上陸しているとして、今月末にベルギー・ブリュッセル(Brussels)で開かれる欧州連合(EU)首脳会議で難民問題を議題にするよう求めている。(c)AFP