【10月10日 Relaxnews】米ニューヨーク(New York)に今年新登場した人気の焼き菓子「クロナッツ(Cronut)」が海を渡り、英ロンドン(London)で「クロドー(Crodough)」や「ドーサン(Dosant)」に変身した。ロンドンっ子たちも今や、クロワッサン生地を使ったドーナツに夢中なようだ。

 この新しい味覚は、ニューヨークで指折りのフランス人パティシエ(菓子職人)、ドミニク・アンセル(Dominique Ansel)氏が今年初め、自分のベーカリーで売り出したものだが、大西洋を越えたロンドンで「わが道」を歩き出した。イーストロンドンのこじゃれた喫茶店から大通りのカフェ、高層ビル街のレストランまで、カロリーたっぷりの人気スイーツは文字通り「ホットなケーキ」と化して飛ぶように売れている。

■英国版クロナッツの元祖?「クロドー」

 イーストロンドンでベーカリーを営む一家の4代目、ジェニファー・リンコフ(Jennifer Rinkoff)さんは、自分こそが最初にクロワッサン生地ドーナツを英国に持ち込んだと胸を張る。100年にわたって一家に伝わるドーナツのレシピを3日間かけてアレンジ。「クロナッツ」という商品名は既に米国で商標登録されていたため、新商品は「クロドー」と命名した。ごく薄い生地を平らに何層にも重ねてドーナツ型にしたものをたっぷりの油で揚げる。中身はカスタードクリーム、ラズベリーソース、キャラメルアップルの3種類だ。

「ツイッター(Twitter)でみんなが、ロンドンではどこに行けばクロナッツを買えるのかって聞いているのを見たんです。それで、ドーナツで色々試してみて、3日目にはこれだ!というものができたんです」とリンコフさん。最初は試しに何個か店に置いてみただけだったが、今は1日に200個売れている。AFPの取材中にも、小さなベーカリーには行列ができ始めた。

■ドーサン 

 動きの速いロンドンのグルメシーンで、おいしくて手が止まらなくなると評判の「クロナッツもどき」は裏通りのベーカリーから高級料理店まで、あっというまに人気メニューと化している。2011年に完成してまもない超高層ビル「ヘロンタワー(Heron Tower)」の40階にあるレストラン「ダック・アンド・ワッフル(Duck and Waffle)」では、 サンデーブランチのメニューに「ドーサン」が加わった。

 クロドーよりもクロワッサンの面影をはっきりと残すドーサンは、まず生地を油で揚げる。次に上白糖をたっぷりまぶし、レモンカスタード風味のクレームシャンティイー(シャンティクリーム)を挟み、チョコレートの小片をトッピングする。

 心臓発作を起こしそうなこのペストリーは、濃すぎるほど甘いものを食べても胃がもたれない人たちにとっては特権を味わえる誘惑だろう。主任シェフのダニエル・ドハーティ(Daniel Doherty)氏はこう話す。「友人やブロガーたちにも、食べてみたいけれどニューヨークには行かないから食べられないという人たちがたくさんいました。当店では限定数しか提供していないので早い者勝ちです。ツイッターやフェイスブック(Facebook)で広まってこの状態です。(ドーサンは)『自分は通だ』とか、何かの一員に加わったような気にさせるんです」

■米国発の菓子を独自にアレンジ、スタバも参戦

 クロワッサン生地のドーナツは、米テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and the City)」から流行したパステルカラーのカップケーキが人気となっているカフェ「ビーズ・オブ・ブルームズベリー(Bea's of Bloomsbury)」でも売っている。

「ビーズ」ではさらに、タルトとブラウニーを合体させた菓子「タウニー(Townie)」や、ドーナツ生地のマフィンにフレッシュジャムを詰め、バターに漬けて粉砂糖をまぶした「ダフィン(Duffin)」など、異なる菓子の特徴を合わせた新スイーツも誕生している。

 英国で「ハイブリッド・スイーツ」がすっかりお馴染みとなりそうなことは確かだ。スターバックスUK(Starbucks UK)ではオリジナルのダフィンを売り出し、また全英に1600店舗を持つチェーンベーカリー「グレッグス(Greggs)」では「グレッグスナット」と銘打ったクロナッツを売っている。(c)Relaxnews/AFPBB News