【10月9日 AFP】トルコで8日、同国で数十年にわたって適用されてきた女性イスラム教徒の公務員によるヘッドスカーフの着用を禁止する法令が廃止された。

 同時に男性公務員は、あごひげを生やすことが許可される。ヘッドスカーフとあごひげは、イスラム信仰のシンボルだが、同国ではムスタファ・ケマル・アタチュルク(Mustafa Kemal Ataturk)初代大統領によって禁じられていた。ただし裁判官・検察官・警察官・軍人には、今後も禁止措置が継続される。

 ヘッドスカーフ着用禁止の解除は、イスラム系政府が推し進める多岐にわたる改革の一環。トルコはイスラム教徒が人口の多数を占めながらも政教分離を貫いてきたが、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相率いるイスラム系政党・公正発展党(AKP)は、2002年に政権を獲得して以来、ヘッドスカーフ禁止令の全面的な解除を誓約。同首相に対しては、同国を徐々にイスラム化しようとしているという批判の声が上がっている。

 同禁止令の廃止が政府官報で発表されると、エルドアン首相は、「国家の精神に反する旧態依然の法令をようやく廃止した。正常化に向けた前進だ」と述べてこれを歓迎。一方の主要野党は、禁止令の廃止は政教分離に反すると批判している。(c)AFP