【10月1日 AFP】米国防総省の監察総監室は30日、ステルス戦闘機F35の開発・製造に関わる複数企業のずさんな管理体制を指摘する報告書を発表し、同戦闘機をめぐる信用や実績、開発製造コストなどが損なわれかねないとして批判した。

 国防総省監察総監は、将来米軍の中心的存在を担うと考えられているハイテク機F35統合打撃戦闘機(Joint Strike FightersJSF)の設計と製造における問題363件を挙げた。報告書は、計画を進める米国と8か国にとって、既に生産の遅れや予算超過に直面しているF35の技術的な問題、さらには最終的な価格についても疑問を投げかけるものとなった。

 報告書は F35の主要メーカーである米航空宇宙大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)と下請5社、さらに同計画の監督部署が、厳格な品質管理を履行しなかったと指摘。この怠慢がF35の信用や実績、コストに悪影響を及ぼすと批判した。またソフトウエア管理を含む数多くの不備もみられ、安全面での問題につながりかねないとしている。

 米空海軍と海兵隊の現行機との入れ替えを目的とし、8か国から成るコンソーシアム(企業連合)が支援する同計画には、これまで既に3957億ドル(約38兆7000億円)が投じられており、これは米国軍史上最大規模となっている。(c)AFP