【8月29日 AFP】アフリカ西部リベリアで最大の国立大学、リベリア大学(University of Liberia)は28日、新年度の入学試験を受けた2万5000人全員が不合格だったと発表した。この事態にエレン・サーリーフ(Ellen Sirleaf)大統領は、貧困に苦しむ同国の低い教育水準を「国家の緊急事態」と呼ぶ声明を発表した。

 首都モンロビア(Monrovia)にあるリベリア大学では、同国の学生の半数以上が学ぶ。だが同大によると、9月から始まる新年度の入試を受験した2万5000人全員が合格点に達しなかった。そのため合格基準点を下げ、受験者の1600人を合格とせざるを得なかったという。

 大統領府声明によると、サーリーフ大統領は27日に行われた大学当局との会談で問題の原因を明らかにするよう要請。また、国全体に向けて受験生の学力不足は「国家の緊急事態」として捉えるべきだと訴え、「全てのリベリア国民は、政治的背景にかかわらず全員で」教育水準の改善に取り組まねばならないと呼びかけた。

 サーリーフ氏は、2003年の内戦終結への貢献でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したが、2006年に大統領に就任してからは教育制度改革に失敗したとの批判が出ている。(c)AFP/Zoom Dosso