【8月23日 AFP】エジプトで2011年に退陣に追い込まれたホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)元大統領が22日、保釈され、刑務所から軍病院へ医療用ヘリコプターで移送された。汚職と殺人に関与した疑いでの裁判が続いている同氏は、同病院内で軟禁される。

 ムバラク元大統領の保釈は、判決前に許容される最長勾留期間を超過していると同氏の弁護士が訴えたことにより認められた。また同氏は、複数ある容疑のうち1件を賠償処理していた。現在継続中の、汚職と同氏を退陣に追い込んだ反体制デモ参加者殺害への関与をめぐる裁判の次の公判は、25日に予定されている。

 現在の非常事態下で逮捕命令を出す権限が与えられているハゼム・ビブラウイ(Hazem al-Beblawi)暫定首相は、ムバラク氏を保釈後自宅軟禁するよう命じていた。しかし同氏は自ら軍病院で軟禁されることを選んだと、同国の中東通信(MENA)が伝えている。

 結審を待たずにムバラク氏が保釈されたことは、7月3日にムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領が軍によって解任されて以来続いているエジプトの政情不安に新たな不安定要素を加えている。(c)AFP/Samer AL-ATRUSH