【8月1日 AFP】米ニューヨーク(New York)・マンハッタン(Manhattan)のロシア領事館前で31日、反同性愛的だとして広く批判されているロシアの新法に抗議する人たちが、同国の代表的な蒸留酒、ウオツカを道路に流す抗議活動を行った。ウオツカなどロシア製品の不買運動は、米国やカナダ、欧州、オーストラリアなど、世界各地で勢いを増している。

「ウオツカ・ダンプ(Vodka Dump)」と題したニューヨークでの抗議行動は、ロシアで6月に成立した「同性愛のプロパガンダ(宣伝)」行為に罰金を科すことを定めた法律の撤回を求めるもの。新法の下では、未成年に対して同性愛関係を容認したり、同性愛と異性愛が同等であると示唆したりする「宣伝行為」に対し、最大5000 ルーブル(約1万5000円)の罰金が科される。外国人にはこれに加え、最大15日間の身柄拘束と、国外退去の処分が科せられる。

 また最近には、ロシアの児童と外国人同性カップルとの養子縁組を禁じる法律も成立した。人権活動家らは、これらの法律が憎悪犯罪(ヘイトクライム)を助長していると主張している。ロシアでは5月以降、同性愛嫌悪が動機とみられる殺人事件が2件発生している。

 抗議デモに参加した人々はさらに、2014年ソチ冬季五輪のボイコットや、コカ・コーラ(Coca Cola)、ビザ(Visa)、サムスン(Samsung)などに対する五輪のスポンサー契約解除も呼び掛けている。米国のエド・マーキー(Ed Markey)上院議員は、五輪に出場する同性愛者の選手に同法律の影響がないことを確約するよう求める書簡を、駐米国ロシア大使に宛てて送った。

 不買運動は先週、米国の作家、ダン・サビジ(Dan Savage)氏によって立ち上げられた。この動きは、英ロンドン(London)のクラブ「ヘブン(Heaven)」など、世界的に有名な同性愛者向けバーやクラブ数十軒で支持されている。(c)AFP/Mariano Andrade