【7月30日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は29日、自分は同性愛の是非について「判断する立場にはない」と述べるとともに、同性愛者は社会から疎外されるべきではないとの見解を示した。一方で、バチカン(ローマ法王庁)内で行われていると報じられた「同性愛ロビー活動」については、深刻な問題だと非難した。

 法王の発言は、ブラジル訪問を終えてローマ(Rome)へ戻る機内で記者団に語ったもので、前法王のベネディクト16世(Benedict XVI)と比べ、同性愛に寛容な姿勢を示しているように受け止められる。

「善良な心で神を求める同性愛者がいるならば、私は(その是非を)判断する立場にはない。問題なのは、そのような指向をもっていることではない。ロビー活動が最も深刻な問題だと思う」(フランシスコ法王)

 また法王は、「宗教事業協会(Institute for Works of ReligionIOR)」(通称バチカン銀行)の要職に自らが指名した聖職者が、売春夫と性的な関係を持っていたとの報道についての質問にも答え、「調査を行ったが、問題は見つからなかった」と言明。「バチカンで、身分証明書に『同性愛者』と書かれている者は見たことがない。(同性愛者が)存在することは認識している」と述べた。

 さらに同性愛者について、「カトリック教会の教義問答書には、社会に融合させるべきであり、疎外するべきではないとはっきりと書かれている」との見解を示した。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE