【7月3日 AFP】たっぷりの衣をつけて揚げられ、人体に有害なトランス脂肪酸が1食に2週間分含まれた魚料理が、米国で最悪のレストラン料理に選ばれた。米消費者団体が2日、発表した。

 米非営利団体「公益科学センター(Center for Science in the Public InterestCSPI)」によると、ファストフードチェーン、ロング・ジョン・シルバーズ(Long John Silver's)のメニュー、「ビッグキャッチ(Big Catch)」にはトランス脂肪酸33グラムとナトリウム3700ミリグラムが含まれていた。

 アメリカ心臓協会(American Heart AssociationAHA)によれば、トランス脂肪酸の1日の摂取上限は2グラム。また、非営利団体の医学研究所(Institute of Medicine)によれば、大半の人のナトリウム推奨摂取量は1日1500ミリグラムだ。

「部分硬化油由来のトランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減少させ、血管の細胞に害をなす物質」と、米ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public HealthHSPH)のウォルター・ウィレット(Walter Willett)氏は説明する。

「ビッグキャッチ」はロング・ジョン・シルバーズが5月から始めた新メニューで、魚を衣で包み、部分硬化大豆油で揚げたもの。セットメニューにはオニオンリングと、コーンミール、タマネギ、余った衣で作るボール状の揚げ物「ハッシュパピー」がついてくる。総カロリーは、ファストフード料理としては低めの1320キロカロリーだ。

「北大西洋の冷たい海域で捕った良質なコダラ100%が7~8オンス(約200~230グラム)、私たちがこれまでに提供した魚料理で最大」とロング・ジョン・シルバーズは説明している。

 だが、CSPIが分析したところ、「実際の魚は平均4.5オンス(約130グラム)で、油がたっぷり含まれた衣が3オンス(約90グラム)近くだった」という。

 ロング・ジョン・シルバーズは、AFPの取材に対し「われわれが公表した食品データを支持しているが、データを疑問視するような要請がCSPIからあればすべて検査する」と述べた。(c)AFP/Kerry Sheridan