【6月20日 AFP】アカデミー賞(Academy Awards)受賞女優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんが19日、シリア難民について「21世紀に入って最悪の人道上の危機」にあるとの声明を発表し、国際社会の支援強化を訴えた。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使を務めるジョリーさんは18日夜、国連(UN)が定めた「世界難民の日(World Refugee Day)」の20日を前に、アントニオ・グテーレス(Antonio Guterres)国連難民高等弁務官(UN High Commissioner for Refugees)と共にシリアとヨルダンの国境地域を訪問。シリア難民らと会い、内戦によって荒廃した祖国からどのようにヨルダンまで逃れてきたかなど、人々の話に耳を傾けた。

 ジョリーさんは声明で、「シリアの人口の半分にあたる約1000万人が今年中に自宅を追われ、援助が必要な深刻な状況に陥ると予想される」と指摘。「より多くの人道支援が必要だ。何よりも、この紛争の政治的解決策を見出さなくてはならない」と訴えた。

 シリア・ヨルダン国境を訪問した目的は「シリア難民への支援を示し、その窮状を世界に訴え、壊滅的な紛争から直接影響を受けているヨルダンなどの周辺諸国が必要とするものに対する理解を深めること」だという。

 国連によると、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領政権への抗議行動が2011年3月に始まって以来、160万人以上のシリア国民が難民となって近隣のレバノンやヨルダン、トルコに流入している。(c)AFP