電子マネー使った60億ドル規模の資金洗浄、電子通貨事業者を起訴
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【5月29日 AFP】(一部更新)米ニューヨーク(New York)の連邦地検は28日、大がかりな国際的マネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとして電子通貨事業者リバティリザーブ(Liberty Reserve)とその幹部を起訴したと発表した。
ニューヨーク米連邦地検は「60億ドル(約6100億円)規模のマネーロンダリングの仕組みを運用し、無認可の送金事業を操業していた」などとしている。リバティリザーブは、ユーザー100万人以上による5500万件以上の違法取引を処理し、「世界的な犯罪行為を手助けした」という。
捜査当局は24日、コスタリカ、スペイン、ニューヨークで同時に一斉摘発し、リバティリザーブの幹部らを逮捕。コスタリカ当局は28日、ロシア国籍のマクシム・チュカレフ(Maxim Chukharev)容疑者の身柄を米国に送還すると発表した。捜査には17か国の法執行機関が協力。連邦地検は「マネーロンダリング事件では史上最大規模だろう」と述べている。
無認可の銀行業務と電子通貨を利用した業務は利用者が増加しているが、同時に監視の目も強まっている。リバティリザーブはその中でも最も成功した企業の1つだった。
■電子通貨使った資金洗浄の仕組み
起訴状によると、元米国市民でコスタリカに国籍を変えた、リバティリザーブの創業者アーサー・ブドフスキー(Arthur Budovsky)被告(39)とそのパートナーらは、便利で合法な送金システムに見せかけた企業を創設したが、この企業はやがて「サイバー犯罪世界の金融ハブ」に変わった。
顧客はリバティリザーブのウェブサイト(すでに閉鎖)で「LR」と呼ばれるオンライン通貨を購入して、LRで他ユーザーと取引を行うことができた。米当局に未登録のシステムで、LRの利用は、国家発行でない他の電子通貨などと異なりユーザーの身分証明書を必要としなかった。
LRの(現金との)両替には第3者の交換事業者の利用が必要とされた。このため、顧客の従来の銀行口座とリバティのシステムの間に直接的な結びつきはなく、LRの匿名性はさらに高まった。
そのように不透明なリバティリザーブだったが、送金時にリバティリザーブのアカウント番号を隠す追加サービスもあり、「システム内においてすら、実質的に送金の追跡を不可能にしていた」という。
起訴状は、このシステムは犯罪取引や資金洗浄のために作られたもので、「クレジットカードの不正利用やID窃取、投資詐欺、コンピューターハッキング、児童ポルノ、麻薬取引などの幅広いオンライン犯罪活動」を助けていたと述べている。
「米国内に20万ユーザー以上を抱え、リバティリザーブは年間1200万件以上の決済を処理し、その総額は14億ドル(約1400億円)以上に上った」
■過去にも仮想通貨サービス、米当局の規制受ける
ブドフスキー被告らはかつて、リバティリザーブと同様の電子通貨取引サービスのベンチャー企業ゴールドエージ(Gold Age)を運用していた。だが、この企業を米当局に閉鎖され、ブドフスキー被告はコスタリカに移住して米国籍を放棄、オランダに移住した。同被告はスペインで逮捕された。
27~46歳のブドフスキー被告ら5人は、資金洗浄共謀罪で有罪となれば最高で禁固20年を言い渡される。また、無認可送金事業を運営したことに関連した罪で有罪となれば、最高で禁固10年が下される。
仮想通過は急速に広がっているが、さまざまな面で圧力を受けている。人気サービスの「Bitcoin」は金融当局の厳しい監視を受けており、取引市場では乱高下がみられるようになった。(c)AFP/Sebastian Smith
ニューヨーク米連邦地検は「60億ドル(約6100億円)規模のマネーロンダリングの仕組みを運用し、無認可の送金事業を操業していた」などとしている。リバティリザーブは、ユーザー100万人以上による5500万件以上の違法取引を処理し、「世界的な犯罪行為を手助けした」という。
捜査当局は24日、コスタリカ、スペイン、ニューヨークで同時に一斉摘発し、リバティリザーブの幹部らを逮捕。コスタリカ当局は28日、ロシア国籍のマクシム・チュカレフ(Maxim Chukharev)容疑者の身柄を米国に送還すると発表した。捜査には17か国の法執行機関が協力。連邦地検は「マネーロンダリング事件では史上最大規模だろう」と述べている。
無認可の銀行業務と電子通貨を利用した業務は利用者が増加しているが、同時に監視の目も強まっている。リバティリザーブはその中でも最も成功した企業の1つだった。
■電子通貨使った資金洗浄の仕組み
起訴状によると、元米国市民でコスタリカに国籍を変えた、リバティリザーブの創業者アーサー・ブドフスキー(Arthur Budovsky)被告(39)とそのパートナーらは、便利で合法な送金システムに見せかけた企業を創設したが、この企業はやがて「サイバー犯罪世界の金融ハブ」に変わった。
顧客はリバティリザーブのウェブサイト(すでに閉鎖)で「LR」と呼ばれるオンライン通貨を購入して、LRで他ユーザーと取引を行うことができた。米当局に未登録のシステムで、LRの利用は、国家発行でない他の電子通貨などと異なりユーザーの身分証明書を必要としなかった。
LRの(現金との)両替には第3者の交換事業者の利用が必要とされた。このため、顧客の従来の銀行口座とリバティのシステムの間に直接的な結びつきはなく、LRの匿名性はさらに高まった。
そのように不透明なリバティリザーブだったが、送金時にリバティリザーブのアカウント番号を隠す追加サービスもあり、「システム内においてすら、実質的に送金の追跡を不可能にしていた」という。
起訴状は、このシステムは犯罪取引や資金洗浄のために作られたもので、「クレジットカードの不正利用やID窃取、投資詐欺、コンピューターハッキング、児童ポルノ、麻薬取引などの幅広いオンライン犯罪活動」を助けていたと述べている。
「米国内に20万ユーザー以上を抱え、リバティリザーブは年間1200万件以上の決済を処理し、その総額は14億ドル(約1400億円)以上に上った」
■過去にも仮想通貨サービス、米当局の規制受ける
ブドフスキー被告らはかつて、リバティリザーブと同様の電子通貨取引サービスのベンチャー企業ゴールドエージ(Gold Age)を運用していた。だが、この企業を米当局に閉鎖され、ブドフスキー被告はコスタリカに移住して米国籍を放棄、オランダに移住した。同被告はスペインで逮捕された。
27~46歳のブドフスキー被告ら5人は、資金洗浄共謀罪で有罪となれば最高で禁固20年を言い渡される。また、無認可送金事業を運営したことに関連した罪で有罪となれば、最高で禁固10年が下される。
仮想通過は急速に広がっているが、さまざまな面で圧力を受けている。人気サービスの「Bitcoin」は金融当局の厳しい監視を受けており、取引市場では乱高下がみられるようになった。(c)AFP/Sebastian Smith