【4月4日 AFP】フランスの首都パリ(Paris)市内で今月から、4匹の黒ヒツジたちが新しい仕事に就いた。郊外の田園地帯にある農場からやってきた4匹が、市北東部19区にあるパリ公文書館(Archives of Paris)の敷地内で従事しているのは、「庭園管理」――すなわち芝刈りだ。

 ヒツジたちの任期は4月~10月。テニスコート8枚分の芝生を2週間かけて「刈る」業務を計3回行う。生物多様性の重要さをアピールしつつ、化学薬品と芝刈り機を使わずに首都の緑地の持続可能性を高める試みだ。任期が終われば、4匹は元いた農場に帰って再びのんびりした生活に戻る。

 ヒツジたちの「転職」をあっせんしたのは、フランスの都市部で「エコ牧場」プロジェクトを展開するエコ・テラ(Eco Terra)社。同社のアラン・ディボ(Alain Divo)社長は、次のように説明する。「年に24回、草刈りをするだけでは、生物多様性は生まれない。動物を使えば、ふんに虫が集まり、その虫を狙って鳥たちがやってくる」

 環状線のすぐ隣、公文書館の巨大な灰色の建物の傍らの新しい「仕事場」に、ヒツジたちはすぐになじんだようで、せっせと草をはんでいた。(c)AFP