【3月23日 AFP】「現代アフリカ文学の父」として知られるナイジェリアの作家、チヌア・アチェベ(Chinua Achebe)氏が死去した。82歳だった。家族が22日、発表した。アチェベ氏は最近、病気を患っていたという。

 同氏は1958年に発表した代表作「崩れゆく絆(Things Fall Apart)」で、出生地であるナイジェリア南東部の伝統的なイボ(Igbo)文化と英国の植民地支配との衝突を描いた。同小説は世界で1000万部以上売れ、50か国語に翻訳されている。

 アチェベ氏はまた、ナイジェリア当局の腐敗を断固批判してきた。同氏は1967年にナイジェリアからの独立を宣言したビアフラ(Biafra)地域の出身で、ビアフラを強く支持していた。独立宣言から1970年まで続いた内戦では、100万人が死亡している。

 アチェベ氏は近年、大学教授として米国に住み、最近ではロードアイランド州(Rhode Island)のブラウン大学(Brown University)で教べんをとっていた。また1990年の交通事故で車椅子生活となって以降、旅行が制限されていた。

 南アフリカのマンデラ財団(Mandela Foundation)が発表した声明では、アチェベ氏は21日に死去したとされている。声明によると、ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)氏は、アチェベ氏は「一緒にいると刑務所の壁が崩れ落ちる」ような作家だったと話していたという。(c)AFP/ M.J. Smith, Ben Simon