【3月21日 AFP】サッカーウルグアイ代表で、イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に所属するルイス・スアレス(Luis Suarez)がAFPのインタビューに応じ、過去のプレーなどについて口を開いた。

 様々な行動で物議を醸してきたスアレスは、自身の評判を下げる要因となっているピッチ上の行動について過ちを認めつつ、悪賢さは自身の「特徴」であると語った。

 22日に行われるサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)南米予選のパラグアイ戦を控え、モンテビデオ(Montevideo)市内で調整を行うスアレスは、「僕はすごく特殊なプレーの仕方をするんだ。僕自身が僕のプレーの一番厳しい批評家。だから間違いを犯した時は自分で分かる」とコメントした。

 今シーズン22ゴールを挙げて得点ではプレミアリーグトップに立つスアレスによれば、ピッチ上での行動について受けてきた批判は自身のプレーを変えつつあると語る。

「僕の受けるイエローカードが、試合に大きく影響する時がある」と認めたスアレスは、これまで罰金や出場停止の対象となってきた。現在は「前よりもましになってきた」と言うが、しかしながら、これからも汚名を返上する努力を続ける必要があると考えているという。

■悪役トラブルメーカー、スアレス

「Pistolero(スペイン語でガンマン)」のあだ名を持つ26歳のスアレスは、ピッチ上でたびたび悪役となり、特にダイブ癖と相手選手との衝突が問題視されてきた。

 2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)準々決勝のガーナ戦では、試合終了間際に枠へ飛んでいたシュートをハンドで止めて得点を阻止した。同年のオランダ・エールディビジの試合で、相手選手の肩にかみついたこともあった。

「人生において人は変わるが、この悪賢さは絶対になくならない。子供の時、通りでサッカーをしていた頃から持っている感情なんだ。僕がピッチで見せているようなこのキャラクターを持っていなかったら、今の僕はなかったはずだ」

 また、スアレスは移籍後の2011-12シーズンにはマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のパトリス・エブラ(Patrice Evra)に対する人種差別発言で8試合の出場停止処分を受けた。

 2011年1月のリバプール加入後に起こったこの一連の騒動は最も悪名高く、その後の試合ではエブラとの開始前の握手を拒否するほどにまでなったが、本人はその件はすでに「終わった話」と考えている。

■リバプールでの今後について

 一方で、ダイブやその他の行動で物議を醸しながもクラブと母国代表にとって重要な選手へと成長してきたスアレスだが、リーグ戦は7位にとどまり、欧州カップ戦の出場権獲得が危うくなっているリバプールでは、難しい状況を耐えているところだという。

 今季からブレンダン・ロジャーズ(Brendan Rodgers)監督を新指揮官に迎えたリバプールについて、スアレスは「今季から新しい監督を迎えたってことは理解しなくちゃならない。今はロジャーズの求める哲学とプレースタイルを選手が全力で吸収してるところだ。来年にはきっとその成果が出ることを願う」とコメントした。

 そのリバプールとの契約について「非常に満足」と語るスアレスだが、同時に「サッカーでは先のことはわからない」とも理解しており、「選手は常に野望を持っている。強豪チームでプレーしたいという野望を常に抱いているんだ」と付け加えた。

「僕は今、世界最高レベルでも有数のリバプールというクラブにいる。その上で、もし国際レベルの大会へ出場が見込めるクラブで、もし僕を取りたいと思ってくれているところがあるのなら、いつでも歓迎だ。出ていくにしろ残るにしろ、とにかく話は聞きたいと思う」

 スペイン・1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)とレアル・マドリード(Real Madrid)に話が及ぶと、スアレスはリオネル・メッシ(Lionel Messi)とクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)について「信じられないほど素晴らしい」と称賛しつつ、より魅力を感じているのは「品性を持った」バルセロナのアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)だという。

 また、スアレスは自身について「物事がうまくいかないとすぐにカッとなるタイプ」ではあるものの、「個性豊かで、なかなかの質を持った選手」と自己評価を下している。(c)AFP