【2月14日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI、85)は13日、バチカンで毎週恒例の一般謁見(えっけん)を行い、歓声を上げる数千人の巡礼者に「私のために祈り続けて」と語り掛けた。 衝撃的な退位表明後、法王が公の場に姿を見せたのは初めて。

 法王はバチカンのパウロ6世ホール(Paul VI Audience Hall)で総立ちの大喝采のもと迎えられた。法王のイタリア語名「ベネデット(Benedetto)」が繰り返され、「聖下、ありがとうございます」と書かれたひと際目立つ横断幕も掲げられた。

 縁なし帽に司祭平服をまとった法王はやつれ、疲れ切った様子だったが、極めて重大な表明を終えて安堵(あんど)したかのようにも見えた。信者らに対し、退位の決断は「教会のため」だったと説明し、「私のため、教会のため、そして次の法王のためにどうか祈り続けて」と語り掛けた。また、困難な日々の中で、信者の愛を「ほとんど体で」感じることができるとも語った。

 法王が自らの意志で退位するのは700年ぶり。今回の一般謁見に参加するための招待状はかなり前に発行されたもので、退位表明の2日後というタイミングで歴史的瞬間を体験できた参列者は実に運が良かったと言える。

 法王は2月28日に退位する予定。法王庁のフェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)広報局長によると、新法王は3月31日のイースター(復活祭)までに選出される見込み。(c)AFP/Gina DOGGETT