【1月31日 AFP】パキスタンでイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」に頭を撃たれたマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さん(15)の治療を行っている英国の医師らは30日、マララさんの頭蓋骨の穴をふさぐための治療計画を発表した。

 英バーミンガム(Birmingham)にあるクイーン・エリザベス病院(Queen Elizabeth Hospital)の外科チームは、マララさんの脳を守るために作られたチタン製の板を頭部に埋め込む。手術は今後10日以内に行われる予定だという。

 女児の教育の権利を訴えていたマララさんは昨年10月、パキスタンのスワト渓谷(Swat Valley)でバスに乗って通学中に銃撃された。この事件により世界で広く名が知れ渡ったマララさんは、女性の教育権を否定するタリバンへの反対運動の象徴的存在となった。

 マララさんの治療を最初に担当したパキスタンの医師らは、頭蓋骨の摘出した部分を腹部に移植し保存していた。だがクイーン・エリザベス病院の医師らは、この骨を頭部に戻すのではなく、チタン製の板を使用するほうが長期的な利点が大きいと判断。腹部に移植された骨は摘出・消毒され、もしマララさんが望めば「記念品」として進呈するという。

 マララさんは1月4日に一時的に退院し、現在は英国入りした両親やきょうだいと共にバーミンガム市内に滞在している。(c)AFP/Guy Jackson