【1月29日 AFP】南米ボリビアで、文字通りの「小さなパーティー」が開催されている。毎年恒例のフェスティバルで、住宅や衣類、パスポート(査証)、ひいては紙幣まで、ありとあらゆるもののミニチュアが露店で販売されている。

 24日に開幕した祭典「アラシタ(Alasita)」の名前は、先住民族アイマラ(Aymara)人の言葉で「買って」を意味する。豊作と多産の神「エケコ(Ekeko)」をたたえる祭りだ。

 コロンブスのアメリカ大陸発見以前から続く祭りで、1月にミニチュアの物品を露店で購入すれば1年のうちにそれが本物に変わるという考えに基づいている。

 新聞もミニチュア版(横10センチ、縦14センチ)が発行され、政治家や芸能人、スポーツ選手らの風刺記事が掲載される。1846年に初めて発行され、2011年にはユネスコ記憶遺産(Memory of the World Register)に登録された。

「アラシタ新聞は毎年買って笑っている。悪いニュースは毎日あるけれど、この面白い記事で楽しい気持ちになることができる」と、ある女性は語った。

 エケコは、ちょびひげで小太りの男性の姿をしており、望むものを与えるとされている。

 祭りに参加したある女性は両手いっぱいの「戦利品」を抱えて、「生活必需品、牛乳、小麦粉、それになにもかもを買った。今年いっぱい、これらのものが不足しないようにとね」と語った。(c)AFP/Jose Arturo Cardenas