【1月15日 AFP】15日に行われた全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2013)、女子シングルス1回戦で女子選手として大会史上最年長勝利を飾ったクルム伊達公子(Kimiko Date Krumm)は、シンプルな生き方が長く続いている選手生命を支えていると語った。

 42歳という年齢を感じさせないベテランのクルム伊達は、メルボルンパーク(Melbourne Park)の屋外コートの厳しい暑さの中、大会第12シードで12歳年下のナディア・ペトロワ(Nadia Petrova、ロシア)を6-2、6-0と約1時間で下した。

■特別なことはせず、シンプルに

 世界ランク100位につけているクルム伊達は、今のところ引退は考えていないという。

「今日勝てたのはもちろんうれしいけど、私は記録のために戦っているわけではなく、負けたとしても楽しんでいる。もちろん負けるたびに精神的につらいけれど」と語るクルム伊達は「42(歳)というのは単なる数字にすぎない」と述べた。

 同世代のプレーヤーたちはすでに引退して久しいが、クルム伊達は最高水準を保っていられている背景にはシンプルな生き方があると認識している。

「とにかくよく食べてよく寝る。昨夜は19時半には夕食を食べ終え、22時前に就寝した。子供のような生活」を送っているというクルム伊達は、「試合や練習の後は疲れているので、回復に時間がかかる。そのためにも睡眠を十分に取って、健康的な食事をして、水分をたくさん取る。いたってシンプルな生活だし、何も特別なことなんてない」と自身のライフスタイルについて説明した。

■2度目の現役生活、衰えない精神力

 現在活躍している現役選手の多くがまだ生まれてもいない1989年にWTAデビューを飾り、四大大会(グランドスラム)にも初出場を果たした。1996年に一旦はラケットを置いたものの、2008年に現役復帰を果たしている。

 現役に復帰してから世界ランク20位以内の選手に勝利したのは今回で9度目。2010年にサマンサ・ストーサー(Samantha Stosur、オーストラリア)を下した際は、40代の選手として初めて世界ランクトップ10の選手に勝利するという偉業を達成した。

「復帰してからも何度もグランドスラムに出場しているけど、いつも組み合わせが厳しい」と振り返る。「ほぼ毎回シード選手と当たっていて、惜しいところまで行っても結局負けてしまう。今回の組み合わせを見た時も『またか』と思った」
 
 ランクではペトロワが大きく上回るものの、17本のウィナーに対し、アンフォースドエラーがわずか18本というクルム伊達の堅実なプレーが勝負を分けた。

「楽しむためにプレーしているのであって、何より試合が好き。そうは言っても負けたくはない」というクルム伊達。「負けてしまった時でも、次の日ホテルで目覚めて練習したくないと思うことはない」

「今は毎日でも練習したい」

(c)AFP