【1月12日 AFP】英ロンドン(London)のストラトフォード治安判事裁判所(Stratford Magistrates Court)は11日、2012ロンドン五輪の陸上男子100メートル決勝の直前にビールのボトルを投げ入れた英国人の男に対し、公共の秩序を乱したとして有罪を言い渡した。

 そううつ病を患っている34歳の男は、ジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)が金メダルを獲得したこのレースで、特別席の最前列に向かうと「ウサイン、負けてくれ」などと叫び、ボトルを投げ入れた。

 判事は、レースに出場した選手への嫌がらせなどを意図して、口汚く、無秩序で脅迫的な振る舞いをしたとして男を有罪とした。男の病状を考慮したとしてもその行動は「冷静ながら不適切」であり、加えてビデオには男がペットボトルを投げ込む前に自分が見られていないかを確認する姿が映っていたと述べ、「被告はその時点で自分が捕らえられる可能性を計算していたと私は確信している」と付け加えた。

 イングランド北部、リーズ(Leeds)近郊のサウス・マイルフォード(South Milford)に住む男は無罪を主張していた。また弁護士は、男は当時そう病的な状態にあり、嫌がらせをしようとする精神状態ではなかったと反論していた。

 男は決勝レースで、五輪会場で売られていたビールの緑色のペットボトルを、スターティングブロックの上で「セット」の姿勢をとった選手の後ろに投げ入れた。その後、会場で観戦していた同五輪柔道女子70キロ級の銅メダリスト、オランダのエディト・ボッシュ(Edith Bosch)選手(32)から平手打ちを受けた男は、ボランティアに取り押さえられ、警官に逮捕された。

 男には2月4日に量刑が言い渡される。(c)AFP