【1月4日 AFP】富裕層への高率課税を逃れるために母国フランスから国外に移住する意向を示していた仏ベテラン俳優ジェラール・ドパルデュー(Gerard Depardieu)氏(64)が、3日までにロシアの市民権を取得したことが分かった。

 ロシア政府は、ドパルデュー氏の市民権取得を認める法令にウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が署名したとの声明を発表。ドパルデュー氏も3日、露テレビ局ペールビ・カナル(Pervyi Kanal)が放送した公開書簡のなかで、ロシア旅券を申請していたことを認め、市民権取得にあたっての喜びを語った。

「旅券を申請したことは本当です。受理されてうれしい。私はあなた方の国、ロシアを──ロシアの人々や歴史、作家たちを愛している」

 ドパルデュー氏はかねてからロシアのセレブ界と交流があり、しばしばモスクワ(Moscow)を訪れている。ロシアの所得税は低所得者から富裕層まで一律13%と比較的低く、今後は同氏にも同じ税率が適用されるとみられる。

 仏社会党政権とドパルデュー氏は、年間所得が100万ユーロ(約1億1400万円)を超える富裕層への所得税を75%まで引き上げる方針をめぐり、さやあてを展開していた。

 プーチン大統領は昨年末の記者会見で、「ジェラールがロシアでの居住権、もしくはロシア旅券を真に求めているなら、われわれはこの問題を前向きに解決できるだろう」と述べ、多くを驚かせていた。(c)AFP/Dmitry ZAKS