【12月21日 AFP】内戦状態が続くシリアの首都ダマスカス(Damascus)南部にあるパレスチナ難民キャンプで、先週末から激しい戦闘が続いており、19日までに約10万人のパレスチナ難民が逃げ出したとみられることが、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の発表で分かった。

 UNRWAのリサ・ギリアム(Lisa Gilliam)氏は19日、AFPに「人びとは今も群れをなして逃げ出している」と語った。ヤルムーク(Yarmuk)難民キャンプには約15万人が暮らしていたが、その3分の2が既にキャンプを去ったようだという。また、10万人という数字は推定に過ぎないと強調しつつ、この難民キャンプでの戦闘は「いまだなお続く人道的危機」だと加えた。

 ヤルムークは16日、昨年3月にシリアの民衆蜂起が始まってから初めて空爆を受け、少なくとも8人の民間人が死亡した。その後、同地域には反体制派側と政府側の戦闘員が入り、この小さな難民キャンプは激しい戦闘に揺るがされていた。

 ギリアム氏によると、キャンプを逃れたパレスチナ難民はダマスカス市内の別の場所やシリア国内の別の地域に向かい、学校やUNRWAの事務所に避難している。隣国のレバノンへ向かう難民も増えており、先週末までにシリアからレバノンに逃れたパレスチナ難民は約1万人に上るが、キャンプで戦闘が勃発してからはさらに3000人が国境を越えたか、入国の手続きを行っているという。向こう数日間でさらに2000人がこれに加わる可能性もある。(c)AFP