【11月26日 AFP】中国国防省は25日、同国海軍初の空母「遼寧(Liaoning)」での艦載機「殲15(J-15)」の発着艦試験にこのほど成功したと発表した。

 中国中央テレビ(CCTV)は、空母の甲板に着艦し、着艦フックをワイヤーに引っ掛けて減速するJ-15の録画映像を放映した。中国海軍がこれほど高度な機体制動用ワイヤーの操縦技術を持っていることは、今回初めて明らかになった。

 海軍軍事学術研究所の張軍社(Zhang Junshe)副所長は、試験の成功について「中国の空母にとって画期的な出来事。(「遼寧」は)戦闘即応性に一歩近づいた」と述べている。

 J-15はロシアの空母艦載戦闘機「スホイ33(Sukoi 33)」を元に中国が開発した多目的艦載戦闘機。ロシア製エンジンを使用し、精密誘導爆弾を搭載できる。

 一方、「遼寧」は元は旧ソ連軍の空母「ワリャーグ(Varyag)」を中国が10年近く前にウクライナから購入し、遼寧省の大連(Dalian)港で改修したもの。ワリャーグは20年以上前に就役したものの、突然のソ連圏崩壊で使用されなくなっていた。

 9月の「遼寧」就役は周辺諸国との領有権問題が紛糾する中、中国の軍事力増強を象徴する転換点だった。ただ、本格的な就役には少なくともまだ3年はかかるとみられる。(c)AFP/Robert Saiget