【11月23日 AFP】世界最高峰のエベレスト(Everest)に捨てられた大量のゴミを材料にしたアート作品の展覧会が、ネパールの首都カトマンズ(Kathmandu)で開催されている。展示された作品は、過去数十年間の入山者が遺した「環境負荷」を克明に描いている。

   「エベレスト8848アートプロジェクト(Everest 8848 Art Project)」に出展の75作品は、捨てられた空の酸素ボンベや調理用のガスボンベ、ロープ、テント、眼鏡、缶ビール、プラスティックの破片などが材料として用いられている。中には(墜落した)ヘリコプターの部品もある。

   「美術作家たちの活動を後押しするとともに、エベレストの清掃に一役買えたらと思いました。厄介者のゴミを、私たちは喜んで引き受けました」と展覧会開催を支援した企業経営者クリパ・ラナ・シャイ(Kripa Rana Shahi)さんは語った。

 カトマンズに拠点を置くエベレスト登頂者協会(Everest Summiteers Association、ESA)はポーター65人とヤク75匹の力を借り、2季合計8トンのゴミをエベレストからかき集めた。そのゴミを材料にネパール人の美術作家15人が約1か月を費やして作品を制作した。

 展覧会はカトマンズの高級ホテルでの開催後、翌週には各観光地への出発地点でもあるポカラ(Plkhara)へと移動する。

 1953年にエドモンド・ヒラリー(Edmund Hillary)卿とテンジン・ノルゲイ(Tenzing Norgay)氏が初登頂して以来、通算約4千人が標高8848mのヒマラヤ山脈の最高峰を目指し入山している。多額の費用を要するにもかかわらず登頂に挑む人は多い。ただ地元のシェルパたちによると、山に捨てられるゴミに関心を持つ人は少ないようだ。(c)AFP/Deepak Adhikari