【11月19日 AFP】世界反ドーピング機関(World Anti-Doping Agency、WADA)は18日、ドーピング違反者に対してより一層厳しい処罰を与える規約の草案を提起した。

 各スポーツの資格停止期間を現在の2年間から4年間とするWADAの草案は12月に見直され、2013年に認可される予定となっている。新たな規約では、各国のスポーツ競技団体が行動を起こすことを拒否した場合には、WADAに捜査の強制力を持たせることができることになっている。

 WADAのジョン・フェイヒー(John Fahey)会長はAFPに対し「今回の草案にはもっと意味のある処罰を与えるというスポーツ界の真の意志が汲み取れる」と語った。

「草案に盛りこまれる規約はバランスが取れていると強く信じている。それは、処罰を現在の2年から4年に拡大することを模索している人たちの声に応えるものである。このメッセージには強いものがある」

 フェイヒー氏は国際自転車競技連合(International Cycling Union、UCI)のパット・マクウェイド(Pat McQuaid)会長を含む、多くの出席者の下で開催されたWADA財団の会議で発表を行った。

 マクウェイド氏は、米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)の報告で明らかになったランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏とその協力者たちによって自転車競技界にはびこっていた薬物使用を暴くことが出来なかったことに対する追及から自らを守ることに終始しており、会議の間は神妙な面持ちで座りながらもほとんどの時間でスマートフォンに目を落としていた。(c)AFP