【10月23日 AFP】韓国のラップミュージシャンPSY(サイ)の「江南スタイル(Gangnam Style)」は世界を席巻したものの、日本ではほぼ期待はずれの結果だ――この例外に、PSYの母国、韓国では深い疑念の声が上がっている。

 韓国のKポップ音楽は日本で大きな市場を獲得している。だがどういうわけか、日本の音楽ファンたちは、PSY本人とそのダンスの誘惑にはあまり魅了されなかったようだ。これに、韓国では、領土問題のせいで日本のファンがこの楽曲を遠ざけているのだという臆測も出ている。

■日本では不人気、「F5スタイル」と揶揄する声も

 英国の音楽チャートでトップに上り詰め、米ビルボード(Billboard)チャートでも現在第2位に着けているが、日本のiTunesチャートではトップ30にようやくランクインする程度となっている。

 さらには、日本の複数の音楽ブログが、「江南スタイル」が動画サイトのユーチューブ(YouTube)で5億3000万再生を超える大成功を収めたのは韓国人が自動再生プログラム(いわゆる「bot(ボット)」)を使ったのではとコメントしている。またウェブブラウザのページを再読込みするためのキーである「F5」キーにちなんで、この楽曲を「F5スタイル」と呼ぶ者さえいる。

■韓流研究所が反論

 これに22日、韓国のポップカルチャーを世界中に「積極的に」プロモーションするために2010年に設立された非営利団体、韓流研究所(Korean Wave Research InstituteKWRI)が反論した。

 韓流研究所のハン・グヒョン(Han Koo-Hyun)所長はユーチューブのランキング操作疑惑を「陰謀論」だと退け、「常軌を逸した」日本の主張は「五輪マラソンの世界記録を疑うのと同じこと」と批判。また、ユーチューブにおける同曲の世界的な人気に対する懐疑論は「小学生による嫉妬と羨望とみなすべきだ」との声明を出した。

 さらにハン・グヒョン所長は、「江南スタイル」の成功を擁護することだけでは満足できず、ユーチューブで歴代再生回数トップ30に唯一ランクインしている日本の動画について苦言を呈した。

 2億3700万回の再生で現在29位にランクインしているこの動画は、若い日本人女性がメントスキャンディーをダイエットコーラに入れて噴き出させるというネット上で人気の遊びを行った様子を捉えたものだ。

 ハン・グヒョン所長はこの動画をチャート中で「最もグロテスクでばかげたコンテンツ」と呼び、「日本人の動画の好みを示すまたしても低級な一例」だと語った。

■日本で成功しなかった理由は

「江南スタイル」が日本で成功しなかった理由については、PSYが日本で成功した他のKポップスターたちのように日本語版の楽曲を提供しなかったことなど、いくつかの理由が指摘されている。(c)AFP