【9月28日 AFP】中国の楊潔チ(Yang Jiechi)外相は27日、国連(UN)総会での演説で、尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands)について「日本が盗んだ」などと述べ、日本側に「中国の領土権を侵害する」尖閣周辺での活動を全て停止するよう強く求めた。

 中国は数十年にわたり尖閣諸島の「返還」を日本に求めているが、楊外相は、1895年に締結された下関条約で日本が中国を「だまして」尖閣諸島を手に入れたとする中国側の主張を改めて強調。日本による尖閣諸島を国有化は「(第2次世界大戦での日本の)敗戦を完全に否定する行為だ」と述べ、日本を非難した。

「日本が取っている行動は完全に違法で無効だ。日本が釣魚島周辺の島々を盗んだという歴史的事実や、中国がこれらの島の領土権を持っているという事実は、変えられない」

■日中代表が「答弁権」応酬

 これに対し日本の児玉和夫(Kazuo Kodama)国連次席大使は、議場で反論する答弁権を行使し、1895年の尖閣諸島の領土編入は合法的なものであり、日本が盗んだとする中国側の主張は論理が破たんしていると反論。問題を第2次世界大戦に結びつけるのは「説得力がなく、非生産的だ」と批判した。

 すると今度は、中国の李保東(Li Baodong)国連大使が答弁権を行使。「日本の代表はまたしてもずうずうしく歴史をゆがめた」「日本政府はいまだに時代遅れの植民地主義にしがみついている」と主張し、「中国は自国の領土を防衛する手段を持っている」などと脅しとも取れる発言をした。

 児玉大使が再び答弁を求め、改めて尖閣諸島は「明確に日本固有の領土だ」と述べると、李大使は「日本は過去の戦争と植民地支配に全く罪悪感を抱いていない」「(日本の尖閣購入は)盗人の理論に基いたものにすぎない」などと反論した。(c)AFP