【9月6日 AFP】フランス南部、アルプス山脈の美しい風景が広がるオートサボア(Haute-Savoie)県シュバリーヌ(Chevaline)で5日、自動車の車内外から男性2人と女性2人の遺体が発見された。現場からはまた重傷を負った1人を含む少女2人も保護されている。同日午後4時(日本時間同日午後11時)ごろ、駐車場に人が倒れていると警察に通報があり、事件が発覚した。車両の周りには空の薬きょうが大量に散乱しており、何者かにより銃撃されたとみられている。

 遺体で見つかった4人のうち、男性1人は前部座席、女性2人が後部座席から発見された。車両外右側の地面に横たわっていた男性は、事件発生当時、自転車に乗っていたとみられている。また重傷を負って車両外の左側に倒れていた少女1人は、ヘリコプターで搬送されたグルノーブル(Grenoble)の病院で手術を受け、一命を取りとめた。

 さらに翌6日に開かれた記者会見では、現場の車内から4歳の少女が発見されたことが明らかになった。会見に臨んだオートサボア県のエリック・マイヨー(Eric Maillaud)検察官によれば、少女は捜査官が現場に到着し車内を調べ始めるまで、「遺体の下で約8時間じっと動かずに隠れていた」という。

 車内で死亡していた3人については、英国から休暇に訪れていた家族である可能性が高いという。前日の記者会見では、この車両が英国で登録されていることが明らかにされていた。アヌシー(Annecy)湖に近いシュバリーヌは景勝地として知られ、欧州各国から旅行者や別荘所有者が休暇に訪れる。  メイラード検察官は、事件の詳しい経緯について、「いかなる仮説もまだ立てられていない」としている。(c)AFP