【8月12日 AFP】ロンドン五輪で金メダル3個を獲得したジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)は11日、今回の五輪が自らの陸上人生のピークかもしれないと語った。

 11日の陸上男子4×100メートルリレーでジャマイカは世界新記録の36秒84をたたき出し、アンカーを務めたボルトは前回の北京五輪と並ぶ3個目の金メダルを獲得。ショーマンらしいフィナーレで五輪の全競技を終えた。

「自分としては、ショーを素晴らしい形で終わらせることができてよかったと思う」と語るボルト。リレーでは、100メートルと200メートルで2位につけたヨハン・ブレイク(Yohan Blake)からバトンを受け取った。

「勝てることは分かっていた。皆、気分が高揚し、準備万端で集中もできていたから。こんなふうに終わらせるのは、いつだって気分がいいよ。去年の世界陸上に続いて、今年も達成できた。素晴らしい気分だ」

 だが現在25歳のボルトは、2016年にリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で開催される五輪では、北京(Beijing)とロンドン(London)での偉業を繰り返すことはできないかもしれないという。

「30歳になると偉大なことを成し遂げるのは難しいと思う。だが、今はただこの瞬間を楽しむつもりだ。ここ(ロンドン)で目標を達成できた自分に満足している」

 ボルトは、リオ五輪まで現役を続ける可能性はあるとしつつも、100メートル・200メートル・4×100メートルリレーの3種目全てで3大会連続の金メダルを獲得できるかは分からないと語った。

「可能性はあるが、若い選手が力を伸ばしてきているのでとても難しいと思う。ヨハン・ブレイクはその頃には26歳で、絶好調な状態になっているはずだ」

 2008年の北京五輪以降、8つの世界大会で個人競技に出場したボルトは、うち7つで優勝している。唯一優勝を逃した2011年世界陸上大邱大会(IAAF World Championships in Athletics Daegu)の100メートル決勝では、フライングにより失格となった。

 ボルトは、ロンドン五輪でボルトとそのリレーチームが勝利できたのはファンのおかげだとも述べている。各競技の会場を満杯にし、力いっぱいの声援を送り続けたサポーターらは、ボルトにとって今回の五輪のハイライトだったという。

「自分にとってファンは疑いの余地なく素晴らしい存在で、大声援を送ってくれた。100メートルの会場に出て行ったときは少し緊張していたが、声援を聞いてそれも吹き飛び、リラックスできた」

 ボルトは「生きた伝説として初めて走ることになる」今シーズンの残りを、ファンのために走ると語った。だがまずは、この偉業達成を盛大に祝いたいという。

「(パーティーが)開かれるかどうかは分からないけど、とりあえず街に繰り出すよ」

(c)AFP/John Weaver