【8月10日 AFP】国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)は7日、米国で押収された児童ポルノ写真に写っていたぬいぐるみが加害者の特定につながり、さらに世界中で40人近くの逮捕につながったと発表し、捜査当局が持つ児童ポルノ事件の証拠品の国際的な共有を呼び掛けた。

画像に写っていたぬいぐるみが、オランダの児童書シリーズで有名なうさぎのキャラクター「ミッフィー(Miffy)」だと分かったことが加害者特定のきっかけになったという。インターポールのロナルド・ノーブル(Ronald Noble)事務総長は声明で、インターポールのデータベースにこの写真を追加した米当局の決断により、「これらの児童レイプ犯を拘束し、未来の性的虐待被害者を救うことができた」と述べた。


■ぬいぐるみ画像から世界規模の摘発へ

オランダの警察当局は、生後18か月の子どもに対する虐待を撮影した写真がデータベースに登録されて数日後にその画像に写っていたぬいぐるみに注目し、オランダのテレビ番組でぬいぐるみの画像を公開して情報提供を呼び掛けた。その結果、オランダ国籍のRobert Mikelsons被告(28)の逮捕につながったという。

同被告は今年5月、アムステルダム(Amsterdam)市内で託児所職員やベビーシッターとして働きながら、子供67人を性的に虐待し、児童ポルノを作成、頒布したとして、禁錮18年の有罪判決を受けた。

さらにオランダの警察当局は、この男がインターネットで連絡を取っていた約1100人を特定し、米国やオランダ、カナダ、ドイツ、ポーランド、スウェーデン、英国などを舞台にした世界規模の逮捕劇につながった。ノーブル事務総長は、「法執行機関が国際データベースを活用すればどのような成果を得られるかを示す典型的な例だ」と述べた。

フランスのリヨン(Lyon)に本部を置くインターポールは、41か国の2500人近い性的虐待の被害児童に関連した画像などを登録した国際児童性的搾取(International Child Sexual Exploitation)データベースを運用している。このデータベースは捜査当局者が活用できるだけでなく、画像比較ソフトウエアを使って被害者が写真に撮られた場所を推測することができる。(c)AFP