【6月28日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)は27日、北アイルランド(Northern Ireland)を訪れ、かつて反英テロ活動を展開したカトリック系過激組織アイルランド共和軍(Irish Republican ArmyIRA)の司令官だったマーティン・マクギネス(Martin McGuinness)北アイルランド自治政府副首相と初会談し、握手を交わした。

 北アイルランド和平プロセスにおいて歴史的和解の象徴となる最初の握手は、ベルファスト(Belfast)のリリック劇場(Lyric Theatre)で開かれた慈善イベントをエリザベス女王が視察した際に、劇場内の1室で非公開で行われた。その後、女王が劇場を後にする際に今度は報道陣のカメラの前で握手。マクギネス副首相は微笑む女王に対し、アイルランド語で「旅のご幸運を祈ります」と語りかけた。

 女王との会談を終えたマクギネス副首相は、報道陣に「とても良い会談だった」とのみ語った。
 
 英国からの分離およびアイルランド併合を求めるIRAによる反英テロ活動は、1970年代から北アイルランド紛争の全当事者が合意した1998年の包括和平まで約30年に及んだ。1979年にはフィリップ殿下の叔父にあたるマウントバッテン卿(Lord Louis Mountbatten)が、乗っていた船がIRAの仕掛けた爆弾で爆破され殺害されている。マクギネス副首相はこのときIRA司令官を務めていた。

 こうした背景からも、英女王と元IRA司令官との握手は英・北アイルランド和解の画期的な節目といえる。IRAの政治部門シン・フェイン(Sinn Fein)党のジェリー・アダムズ(Gerry Adams)党首は、マクギネス副首相と女王との会談によって英・北アイルランド関係が「新たな飛行機に乗った」とコメントした。

 マクギネス副首相自身も会談前、女王との握手は「数千人のユニオニスト(北アイルランドの英統治を望むプロテスタント系住民)との握手と同じ」だと話していた。(c)AFP