【6月15日 AFP】中国の有人潜水艇「蛟竜(Jiaolong)」号が15日、初めて水深6000メートルに達したと新華社(Xinhua)通信が報じた。

 報道によると乗組員3人を乗せた蛟竜号は、太平洋西部に位置するマリアナ海溝で全6回の潜水実験を実施中。初日となる15日、潜水開始から3時間後の日本時間午前11時ごろ水深6000メートルに到達し、前年7月に打ち出した5188メートルの記録を塗り替えたという。

 今回の潜水実験では最終的に水深7000メートル到達を目指しているという。

 専門家によれば中国は、蛟竜号を深海生物のサンプル採取や深海の地質調査といった科学的調査に利用するほか、将来的には資源開発にも役立てたい考え。ただ、上海(Shanghai)の同済大学(Tongji University)海洋地球科学院の周懐陽(Zhou Huaiyang)教授は同日、今回の潜水はあくまで実験であり、船体の安定性や強度、乗組員の技術など実際に科学利用する前に解決すべき課題はまだ多いとの見解を示した。

 経済成長を支えるエネルギー資源確保が急務となっている中国当局は、潜水艇開発の目的について科学的調査と天然資源の平和的な開発・利用のだめだと説明している。(c)AFP

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