【5月7日 Relaxnews】歯のホワイトニングに高額な費用をかけずに、美しく白い歯を保ちたいなら、スポーツ飲料や栄養ドリンクには手を出さないほうが良いかもしれない。

 米歯科専門誌「General Dentistry(総合歯科学)」の5・6月号に発表された論文によれば、甘いスポーツ飲料や栄養ドリンクを飲む量が増えると、歯にとっては取り返しのつかない損傷となる。特に、歯を輝かせる表面のエナメル質への害は深刻だ。

 これらの飲料は、糖分が多いうえ酸性度が高く、歯のエナメル質を溶かす原因となっていた。実質的には酸性の液体の中に歯を「浸している」状態だからだ。歯を保護するエナメル質が失われると、歯は知覚過敏になり、虫歯のリスクも高まる。

■スポーツドリンクの酸が歯を溶かす

 米国では10代の30~50%が栄養ドリンクを、62%が毎日1本以上のスポーツ飲料を飲んでおり、研究は、この世代の若者を対象に行われた。

 研究チームは、スポーツ飲料13種類と栄養ドリンク9種類の酸性度を分析し、これらの飲料にヒトの歯のサンプルを15分浸した後、さらに人工唾液に2時間浸した。

 米国の若者たちの歯がさらされている環境をシミュレーションするため、チームはこの実験サイクルを1日4回、5日間続けた。最終日の実験終了後、研究チームが歯のエナメル質を調べたところ損傷が確認された。損傷の度合いは、スポーツ飲料よりも栄養ドリンクの方が2倍高かったという。

 スポーツ飲料が歯に及ぼす悪影響についての研究は、今回が初めてではない。2009年にもニューヨーク大学(New York University)の研究チームが行った実験で、スポーツ飲料によって歯のエナメル質が浸食されるという同様の結果が出ている。

■輝く白い歯を維持するには?

 美しく白い歯を維持するため、論文はスポーツ飲料と栄養ドリンクの消費量を最低限に抑えるよう提案している。

 さらに、これらの飲料を飲んだあとは少なくとも1時間、歯磨きを控えるべきだという。歯を磨くことで飲料の酸が歯の表面に広がり、浸食作用が強まるからだ。

 もしも誘惑に負けてこれらのドリンクを飲んでしまった場合は、シュガーフリーガムをかむか、水で口をゆすぐことを推奨している。いずれの行為も唾液量を増やし、口内の酸性度が通常レベルに下がりやすくなるためだ。(c)Relaxnews/AFPBB News